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PLANT A TREE PLANT LOVE 理事長 勝田 祥三


21世紀、地球に住む私たち人類のキーワードは「食料」「水」「健康」「エネルギー」、そして「環境」の5つだといえるでしょう。
厄介なのは、そのどれもが個別に解決できることではなく、互に関連し合って複雑なことです。とりわけ、地球人口の増加、貧富の格差、民族問題、宗教問題、核問題、人間の精神的荒廃が複雑な問題にさらに拍車をかけています。
現在の私たちは、経済と科学・技術の進歩、発展、成長に焦点を当てすぎた結果、これらのキーワードはますます複雑にからみあい、問題は加速度的に増大しています。このままの状態がつづけば問題は一段と大きくなり、近い将来必ず私たちに重くのしかかってくるでしょう。そして、根本的な解決を困難にするでしょう。 そのような段階に達したとき、私たちはさらに重大な局面に遭遇するに違いありません。それは、人類の生存にかかわる「生命の危機」です。
このような危うい時代に直面しているにもかかわらず、私たち人類はまだ本当の危機に気づいていません。いまだに、経済の成長拡大、そして科学技術の進歩、発展という価値観を信じこみ、疑う様子がないのですから。
<時代、社会、人間は時と共に進歩してゆくはずだし、進歩しなければならない。歴史は前へ前へと加速して進み、後戻りすることなく、まっすぐに進み発展、成長してゆく。>
私たちの時間は一般的にそのような時間として私たちを駆り立てています。経済と科学・技術の進歩発展成長があるから、“自分の幸せ”があると妄信しているのです。だからこそ、直進する時間の速度をさらに高めながら経済活動に集中しているのでしょう。
しかし、このような価値観に対して、いま一種の疲労感、徒労感、厭世感を持ち始めた人々が少なからず現れてきました。私たちが失いつつある、もうひとつの時間の価値を感じ始めた人々です。その時間とは、巡りゆき巡り帰る「不易」の時間です。
考えて見ましょう。
地球は何十億年のむかしから自転しながら、太陽のまわりを公転しています。そして、月も自転しながら、地球のまわりを公転しています。この基本的事実が変わらないかぎり、時間は回帰しますし、その性質は変わりません。
それならば、私たちはこの太陽系宇宙の性質を正しく理解し、その法則を尊重し、調和して生きていくべきではないでしょうか。私たち人類は太陽と共に、月と共に生きていく以外に、生存のしようはないのです。
明治5年(1872年)まで長い間使われ、月と太陽の両方の運行を取り入れた生活暦「二十四節気・七十二候」の価値観がここにあるのです。
“人と人、人と自然のコミュニケーション”の原点がここにあるのです。
私たちの先祖は、厳しく、恐ろしく、そしてやさしく豊かな自然がいっぱいの“日本の風土”に住み、“人と人、人と自然のコミュニケーション”を大切にする生活習慣をすでに感得していました。中国に伝わる「二十四節気・七十二候」という生活価値観に気づき、それを6世紀後半に採り入れました。その後、長い時間をかけ、日本に適応する生活暦として日本化していったのです。
人びとはいま、「人間の幸せ」、「生きている実感、そして感動」を味わうことのできる、豊かな精神性の時代を待ち望み始めているのではないでしょうか。
“5つのキーワード”と“経済、そして科学技術の進歩発展成長”との調和が必要な時代、言い替えれば“回帰循環する時間の価値観”と“直進する時間の価値観”の調和が必要な時代がすぐそこまできていることを示しています。これからは、螺旋状にゆっくりと回帰循環しながら進歩発展成長する価値観が大切なのです。
日本の歴史、文化、伝統は“日本の風土”と“人と人、人と自然のコミュニケーション”を大切にする生活習慣と、“神仏儒の習合”の精神的基盤と“二十四節気・七十二候”という生活暦によって培われてきたといえるでしょう。
そしてその土壌から日本人の社会規範、道徳、倫理が生まれ育ったのです。しかし、いま、数百年、数千年をかけて祖先がつくりあげてきた、社会規範、道徳、倫理は薄れ、日本の歴史、文化、伝統が尊重されない、困った時代がきているような気がします。
大袈裟にいえば、日本が崩壊し始めているということです。経済中心主義、物質中心主義、効率一辺倒の社会をつくり上げ、“人間の幸せ”について考えてこなかったことが、大きな原因であることは間違いのない事実でしょう。
こういう時代にあって、私は人間の幸せを中心に据える新しい価値観を提唱したいのです。それは、21世紀を生きるこれからの日本人像として「祖先と共に生き、人と共に生き、自然と共に生き、地域と共に生きる」という考え、思想を持つことです。
日常生活においては、まずご近所、友人、知人との付き合いを大切にし、家族の健康に留意することです。そして同時に悪化する地球環境に心を痛め、身の回りの自然破壊、環境問題、社会問題にも心を配ること。さらに、世のため、人のために、自分ができることは何かを模索する人を想定します。
こういう思想・生活観を、私は「ともいき」と名付けます。「ともいき」の思想・生活観が21世紀に生きる日本人にとって、また地球人にとって、もっとも大切なものだと考えるのです。この生活価値観をもつ人が増えていくことによって、地球と人類の危機は回避され、循環する時間の中でこれまでにないうるおいと安らぎのある「幸せを実感できる」社会が育つのではないでしょうか。

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