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韓国の旧正月と「茶礼(チャレ)」


お正月を旧暦で過ごすとどうなるんでしょうか?先ず気になるのは新暦の正月がどうなるのかということですが、1月1日だけが祝祭日となり休みです。たまたま今回は12月31日が日曜日だったので連休になりました。ですから日本の大晦日から正月三が日のようにそれぞれの故郷に帰り、紅白歌合戦を見、除夜の鐘を聞いて神社に初詣をし、初夢を見て、などといって年末年始の雰囲気を満喫することはなく、韓国の年末年始は至って静かです。官公庁も会社も商店街も1月1日の休日を除いては平常どおりに運営、営業されます。

毎年、旧のお正月は日が変わります(もちろんこれは、新暦の上でのことです。旧暦ではいつも1月1日です)。そして旧暦の元旦と前後の日の合わせて3日間が祝日になります。今年は、2月18日でしたが、運悪く日曜日だったので今回は短い日程で故郷に行って来た人が多いようです。

さて、旧のお正月になると韓国中がひっくり返るようなてんやわんやが繰り広げられます。故郷に出発する前からスーパーやデパートに行ってお土産を山のように買うのでスーパーやデパートは大混雑します。出発したらいよいよ本格的な戦いの始まりです。完全に駐車場になってしまった高速道路で普段の何倍もの時間を掛けて忍耐強く故郷への残りの距離が減っていくのを待たなければなりません。最近はあまり聞きませんが、昔は路肩で携帯ガスレンジを引っ張り出して焼肉を食べる人が現れたりもしました。韓国ではこの停滞の中の運転を「亀運行」と呼んでいます。 故郷に着き家族や親戚との久々の再会を喜び、団欒のひと時を過ごします。

そして旧暦1月1日の朝を迎えると「茶礼(チャレ)」という儀式を行います。 基本的に女性は結婚すると男性の実家に集まるので「茶礼」の席に結婚した娘は参加しませんし、そのため外孫も参加しません。「茶礼」は儒教の思想に由来するもので、香をたき先祖を招き、用意したお酒や食事を食べ、飲んでいただくというものです。家庭によってその式順もいろいろなようで、ここでは私の妻の実家で2月18日に行われたものを簡単に紹介します。

妻の実家は、義父は亡くなり、義母は健在です。男兄弟が二人で甥が一人です。先ず、4代前までの夫婦(父、祖父母、曽祖父母、その上の祖父母)毎に名前を書いた「紙榜(チバン)」という紙(位牌のようにケースに入れてあります)の前に食事やお酒を準備します。

祭祀が始まると、先ず長男がお酒を捧げ、「ジョル」という膝を付いて床に額を付けてする礼を2回します。

続いてお義母さん、次男、孫息子の順に同じことをします。そして残り全員で一斉に「ジョル」をします。 その後は予め開けておいた玄関から入って来ていたご先祖様方の食事の時間になります。食事の時間が終わると、先祖の名前を書いた「紙榜(チバン)」を焼いて皆でご先祖様に捧げたお酒や食事を一口ずつ食べます。

このようにして茶礼が終わりました。

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